我が家も故郷の小さな町の一角に、生まれ育った家が空家となってしまっている。時々風を通しに実家に帰る。
自家用車で移動し、3時間半以上かけて運転するが、こちらも後期高齢者である。体がきつい。
実家の母は数年前から施設に入って、今は車椅子で過ごしている。もう、あの懐かしい我が家へ戻ることはない。
そうなると私が生まれ育った家は空家となってしまう。同年輩の高齢者家族に話を聞いてみると「子供たちは都会に出て帰ってこない」という「では今、住んでいる家は将来どうするの」「お墓の管理はだれがするの?」と聞いてみることが多い。答えはわかっている。
そうです。将来は空家になる。そして50年もたてば亡くなった人の名義となって放置されているといったことになる。所有者不明土地予備軍である。
高度成長時代に我先にとマイホームを購入し、懸命に働いてようやくローンを返済して、現役引退。豊かな老後は遠のいて、人生100年の道筋を年金頼りに生きて行くことになる。長生きの時代、先は長い。子供たちは都会に家を建てている。これが今の現状であろう。人口減少となっていく時代に地方はさらに過疎化、都市部もドーナツ減少で再開発が必要となってくる。
社会の構造をガラリと変えていかないとどうにもならない状態になってしまう。大変である。しかい今のところどうにもならない。